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爆買いだけじゃない。中国人観光客に地方が人気?

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2015年は、中国人観光客の「爆買い」が注目された一年でした。夏頃には、早くも中国景気の失速、バブル崩壊が同時に囁かれていましたが、来日数の勢いはまったく衰えていません。「爆買い」は流行語大賞に。「インバウンド」もノミネートされていましたね。これまでは、彼らの目的は首都圏での買い物だと言われてきました。しかし、今年の後半頃から、地方観光に向かう中国人が急増加しています。彼らが地方再生のカンフル剤になるかもしれません。
 

来日外国人の旅行消費がとまらない

観光庁は、訪日外国人の消費動向データを発表しています。それによると、2015年7月~9月の調査で、驚きの結果が出ています。訪日外国人の旅行消費額は1兆0,009億円。前年同期と比べ、81.8%増となっています。このデータはかなり頻繁に更新されていますが、今のところ、7期連続で最高値を記録しています。来日外国人のうち、半数近い46.6%が中国人です。中国景気の失速も、あまり影響がないように見えます。では、彼らは日本のどこに行っているのでしょうか。
 

中国人は、静岡県に行っていた

中国人観光客が日本のどの地域を訪問しているかというデータがあります(観光庁)。これまでは、東京、大阪の二大都市を訪れる人が圧倒的でした。東京での一番人気が銀座と秋葉原であることからも、ブランドと家電が目的の来日であることが伺えます。しかし、最新のデータによると、二大都市のみ訪れている人は全体の33%に留まり、二大都市と地方を訪れる人が55%、地方のみ訪れる人は12%と、地方人気が高まってきているのです。
地方のみ訪れる人に人気なのは、北海道、沖縄、京都。最も多い、二大都市と地方を訪れる層に人気なのは、愛知県、静岡県、山梨県でした。注目なのが、静岡県。現在、静岡県は外国人観光客数の伸びが日本一なのです。
 

静岡県が行った施策とは

静岡県への中国人宿泊人数は、2013年は14万8千人。2014年には33万9千人と、2.3倍に伸びています(静岡県公式サイト)。静岡県が持つ中国との直行便は、昨年は1路線だけでした。しかし、現在は14路線に拡大しています。昨年まで閑古鳥が鳴いていた富士山静岡空港も、今や中国人で溢れ返っていると言います。
静岡県は、年間総額5億円の予算を用意し、旅行会社に中国人観光客誘致のための補助金を出しています。「静岡空港と県内の宿泊施設を使う」ことを条件に、中国人向けの格安ツアーを組ませたところ、これが見事に当たりました。とにかく来て、1泊してくれればお金が落ちるという算段です。
 

インフラ作りに成功した地方が、誘致に成功している

静岡県は、東京~大阪の間にあり、世界に誇る富士山がある。それなのに、観光地としての人気はイマイチ。その状況を打破するための秘策でした。呼び込む方法さえあれば、首都圏以外にも外国人観光客誘致の可能性があるという事例かもしれません。
九州も、以前から中国人観光客が多く訪れることで知られていますが、彼らが九州に向かう理由は「中国から一番近いから」だけではありません。格安でリッチ感を味わえるクルーズ船の運行があり、船を降りたらそのままショッピングモールに運んでくれるバスツアーが用意されているためです。
福岡県は港湾局にクルーズ課を設け、クルーズ船誘致に取り組んでいます。長崎県では、2014年に佐世保港の水深を下げる工事を行い、大型船が接岸できるようになりました。いずれも中国からの大型クルーズ船を誘致するため。交通インフラを作ることが、誘致に直結していると言えるでしょう。
 

中国人獲得が、地方再生の要となるはずだ

大型クルーズ船には2,000人以上の乗客が乗っているものも少なくありません。中国人一人当たりの旅行支出は平均17万円ですから、一隻の大型クルーズ船がもたらす経済効果は、3億4,000万円。日本創成会議が、「2040年までに半分の自治体が消滅する。消える自治体は896である」とした推計が話題になりましたが、中国人特需に湧いている地域では、その数字を鵜呑みにした悲嘆よりも反論の方が大きく聞こえるとか。
人口流出が叫ばれる地方も、まだまだ再生の可能性があるのです。駐車場業界にとっても、この動向は注目に値します。地方が潤ってくれば、駐車場運営に乗り出される地元の資産家も増えるのではないでしょうか。